Route66ドライヴ記(1) サンタ・モニカ 〜 バストウ

 5月27日(火)
 昨日はロス・アンジェルス(以降L.A.)国際空港に近いサンタ・モニカのホテル
に1泊した私達は翌日Interstate10(インターステイト・ハイウエイ一級国道
のこと)にて東へ向かいました。


 ここは片側が4車線ある道幅の広いハイウエイで交通量も相当多いので充分
注意しながら走らなくてはなりません。
 L.A.の市内及びその郊外は沢山のハイウエイが縦横に走っていて、ジャンク
ションも沢山あります。
 このような地区では直進も含めて左折、右折には相当手前から決められた車
線をキープしなければならないので、緑色の行き先案内の標識をいち早く見つ
けてその車線に車を持って行く必要があります。
 これは東京でも同様ですが、道路の不案内な外国においては余程優秀なナヴ
ィゲェーターがいないとまごついてしまい、行きたい方向に行かれなくなって
しまうこともままあります。
 私達はInterstate10を60マイル程東に走り、L.A.の郊外を南北に走る
Interstate15を北向きに上手く乗ることが出来ました。
 さて、此処までくれば一安心このまま80マイルも走れば今日の目的地であ
るバストウへ到着します。

そこで、この度私達が旧Route66を走破するためにHertzからLincoln Town
Carを借りた理由を話しておきましょう。
 アメリカにはHertzとAvisの二つの大きなレンタカー会社があります。
 ご存知の方も多いと思いますが、Hertzはフォード系の車を使い、Avisはジ
ェネラルモーターズ系の車を使っています。
 どちらの会社も多分皆さん方が持っておられるクレジットカードにて基本料
金が10%の割引になるでしょう。
 ところが、この2社では料金体系がかなり違っており、この度の計画に際し
てレンタル料金を問い合わせたところ、通常の基本料金は概ね同じですが、
HertzはDrop Off Charge(乗り捨て料金)が高いので(私達の場合500ドルで
した)、借りた車を元の場所へ返さない場合にはHertzの方が高くなりました。
 しかし、この度の計画では料金が高いにもかかわらずHertzを選択したこと
には二つの大きな理由がありました。
 その一つはLincolnがセダンで最大のトランク容量をもっていること、もう
一つはHertzにはカーナヴィゲーションがオプションで付けられることでした。
 この度の旧Route66走行計画の同行者は私の家内と私の妹夫婦、これに途中
のセントルイスからもう一人の妹が加わり最終的に5人になり、全日程が3週
間の長期旅行になるので、夫々が相当量の携行荷物を持っております。
 そこで、今年の初め頃に港区三田にあるジェトロの輸入車ショールームへ物
差しを持って出掛けて行き、LincolnとCadillacのトランク容量を比較してみ
ました。
その結果Lincolnの方がCadillacより大きいことが分かりました。
 もう一つはカーナヴィゲーションです。
 私は自分の車にはカーナヴィゲーションを付けておりませんが、道路不案内
の外国ではこれがあった方が良いことは自明の理です。
 HertzのNever Lostと言うカーナヴィゲーションはなかなかの優れもので、
英語の他に7ヶ国語(日本語を含む)を話し、目的地のインプットも行く先が
ホテル、レストラン、空港であれば至極簡単です。
 これは付けて正解でした、シカゴ空港のHertzの営業所に車を返しに行くの
に、空港の場所はどの地図にも示されていますが、Hertzの営業所の場所は何処
にあるのか分かりません。
 しかし、そこへはNever Lostが正確適切に案内してくれました。
 このNever Lostの借り賃が期間に関係なくわずか40ドルでした。
 この他レンタカーに関してはオプションの保険が煩わしいものですが、私は
搭乗者傷害保険と携行荷物の損害保険は旅行者保険でカバーしているので掛け
ていません。
 この度は初めてフューエル・パーチェスと言う返却時に燃料を満タンにしな
くよいオプションをつけました。
 これは返却場所近辺のガソリンスタンドが何処にあるのか不明な場合、又は
返却してから乗る飛行機の時間が気になる場合には有効なオプションです。
 ただ、ガソリンタンクの燃料の残量を最小にしようと思うと、最後に給油す
る場所とその量をしっかり計算しないとガス欠?なんてことになってしまいま
す。
 新型Lincoln Town Carの燃費は驚くほど良くて全工程を通して1リッター当
り9.8Kmでした。
長々とレンタカーについて話して参りましたが、ここで話を元に戻しましょう。
 Interstate15に入ると今まで走ってきたInterstate10とは周りの景色が一変
します。
 今まではL.A.の市街地から郊外の住宅地を走っていましたが、ここはもう砂
漠地帯に入りました。
 この当たりの景色は従来私がいだいていたカリフォルニアのイメージ、即ち
太陽が輝き緑が繁る高層ビル街、華やかな映画の都、お金持ちの住む閑静な街
路とは全く違い砂漠の中のただの一本道です。

 

カリフォルニア州は太平洋に沿ったベルトラインの市街地を除くとこのよう
な砂漠地帯や山岳地帯の方が広いところなのです。
Interstate15は次第に上り坂にかかり、サンタ・モニカから3時間ほどでカ
リフォルニア州の高原の町バストウに到着しました。
 Interstate15から旧Route66に降りてバストウの街に向かうと、まずモーテ
ルとレストランが何軒かあり、その先に家数にして数十件の商店が並び、それ
を過ぎると再びモーテルとレストランがひとかたまりあると言う典型的な地方
の街です。
 ここで私達はBest Western Motelを探して部屋を取ろうと思い、その駐車場
へ車を進めたところ、そこには大きな大砲を牽引した米軍のトラックが駐車し
ているのに驚きました。
 このモーテルは米軍御用達だったようです。